2026.01.01 令和8年1月 年頭所感
新春のお慶びを申し上げます。
旧年中も本当に多くのクライアントの皆様方、金融機関、各支援機関、各士業の皆様方から甚大なるご支援、ご協力を賜りました。改めて厚く御礼申し上げますとともに、本年も変わらぬお付き合いのほど、何卒よろしくお願い申し上げます。
令和7年(2025年)を振り返りますと、社会や経済の変化が、より具体的に企業経営へ影響を及ぼし始めた一年であったと感じています。政治面では、政権運営の安定性や政策遂行力が改めて問われる局面が続き、社会保障、少子高齢化、財政規律といった構造的課題への対応が先送りできない段階に入った印象を強めました。制度改正や行政のデジタル化も進展しましたが、その一方で、現場との乖離や負担増を感じる場面も少なくありませんでした。
税制面では、各種特例や優遇措置の見直し、制度の細分化・複雑化が進み、「知らなかった」「対応が遅れた」ことによる影響が、以前にも増して大きくなっています。税務は単なる申告業務ではなく、資金繰りや投資判断、事業承継の在り方にも深く関わるテーマであり、先を見据えた整理と準備の重要性を改めて感じる一年でした。
また、社会保険制度をめぐる環境も引き続き厳しさを増しています。人件費の上昇に加え、社会保険料負担の重さは、多くの中小企業にとって無視できない経営課題となっています。従業員の生活を守りながら、企業として持続可能な体制をどう構築していくのか――賃金設計や働き方、組織の在り方そのものを見直す必要性が、より現実的な問題として浮かび上がってきました。
金融環境に目を向けると、金利のある世界が定着しつつあり、借入や設備投資、資金繰りに対する考え方も変化しています。これまで当たり前であった低金利環境を前提とした経営から、金利上昇を織り込んだ慎重な判断が求められる局面に入ったと言えるでしょう。金融機関との関係性や、財務内容の見せ方が、これまで以上に重要になっています。
こうした環境下において、中小企業経営に求められるのは、流行としてのDXや制度対応にとどまらず、「自社は何で価値を生み、どこで利益を確保するのか」を改めて言語化し、仕組みに落とし込むことだと考えています。令和7年は、その必要性が多くの企業にとって“理解の段階”から“実行を迫られる段階”へと移行した年であり、令和8年はその差がさらに拡大していく年になるでしょう。
令和7年も、当事務所では会計・税務顧問業務を基盤としながら、コンサルティング業務を含めた総合的な視点で経営者の皆様の意思決定を支援してまいりました。法的再生計画を伴う案件への関与や、大規模施設の開設計画など、守りの局面から攻めの局面まで従来よりも幅の広い業務に関与する機会を頂きました。またスタッフ体制につきましても、それぞれが専門性と責任感を高め、事務所全体としての対応力が一段階上がった一年であったと実感しています。
令和8年(2026年)も、当事務所は「この地域の人たちの、より豊かな生活の実現」という理念のもと、変化の時代においても安心して相談できる存在であり続けたいと考えています。税務・会計にとどまらず、制度や環境の変化を踏まえた実務的な視点から、ともに考え、ともに歩みながら、皆様の経営を支えてまいります。
末筆ではございますが、皆様方のご健勝とご発展を心よりお祈り申し上げ、新年のご挨拶とさせていただきます。
利弘 健
リンク:当事務所の経営理念